貴君は、幻の名車・BASICをご存知だろうか。 かつてマン島TTを制した伝説のレーシングマシン「BASIC 600RR」は、当時の最先端の技術が惜しみなく投下されており、その圧倒的な強さのため、以降のレースのレギュレーションを大幅に変えざるを得なくなってしまったという、いわくつきの車体である。 念力で駆動するクリーンなエンジンは、最高出力1兆psを誇り、最高時速2兆km/hをマークする。 余裕で光速を超えているので、走り出した瞬間にライダーは車体ごと5億年後の世界にタイムリープし、変わり果てた地上を目の当たりにして「なんてことだ、ここは地球だったのか!」などと、わかりきったことを言っちゃったりして悦に入ることもあったとか無かったとか。 搭乗するライダーは、特殊な訓練を受けた9人のサイボーグ戦士たち。戦え!BASIC!輝く地球の未来のために!!
ミラノの街を彷徨うJB。軽食を取るために、シエスタの明けた一軒のトラットリアへ入った。 愛想の悪いウエイトレスが、ぶっきらぼうにオーダーをとる。 まずは水をオーダーすると、彼女は「ガス or ノンガス?」とJBに問う。たどたどしく「アクア ガッサータ」と返す。イタリアでは食前には炭酸水を主に飲むと聞いていたからだ。 「本当に炭酸水でいいんだね?」彼女は少し冷やかすかのように微笑んだ。 「知らない街だからって、無理に合わせることはないよ。a modo mio!自分らしく。さ、それを飲めば分かるだろうよ」 そう言って彼女は、自分の肢体を模ったかのような艶かしいボトルを置いて、カウンターへ戻っていった。 そのボトルから注がれる苦い液体を喉に流し込みながら、JBは想う。 人は孤独だ。見知らぬ街では風習に優しさを感じてしまう。 だがしかし、その優しさに流されたばかりに望んだモノを得られないなんて、いい歳をして随分滑稽な話だ。 この口腔に染み入る苦味は、幼い頃、仲間外れを恐れて嫌々参加した鬼ごっこの疲労感に似ている。 君子は和して同ぜずというじゃないか。これからは好きなようにやるさ。 明日の朝食は、サンガスをオーダーするとしよう。
PATTERNは、この時期大忙し。 一般的にいちごの収穫時期は春であると知られているが、ここPATTERNいちご園では、ビニールハウス栽培を駆使し、最も需要が増える冬に収穫するスタイルをとっている。 雪のように白いケーキに華やかな色を添えるいちご。クリスマスの家庭に笑顔を届けることを使命とし、PATTERNは懸命に収穫にいそしんでいる。 プライドを持ったその仕事ぶり、まさに理想の大人といったところである。 その全身を覆ういちご模様が、凄まじくファンシーであることを除けば。
FLAGは、メタルバンドでベーシストをしている。 より重い音を求めて、ヘビーゲージな弦を張り、チューニングを落として、何かに呪われたように、ひたすらダウンピッキングを繰り返す。 やがてそのドゥーミーな音色に導かれて、サーモンの群れがレールダル川を登ってやってくる。 飛び跳ねて撓る魚たちの肢体は、まるでFLAGのベースプレイにヘッドバンギングで呼応するオーディエンスのように見えるという。。。 そして、やってきたサーモンは一尾残らずFLAGの餌食となる。そりゃクマだもの。当然でしょ?
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