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水の都ベネチア。
サンマルコ広場へと向かうゴンドラに揺られ、
船頭のカンツオーネに耳を傾けるJB。
沈みゆく街に住む人々は、笑顔の奥に哀しみの色を携えている。
ベネチアングラス。
それは大気に触れる前の涙の色。
純度の高いデカダンが発する蒼い色。
JBは羨んでいる。
永遠を否定しながら、それでも陽気に生きてゆく人々を。
旅人の持つメンタリティでは、到底辿り着けない地平を。
きっと自分には意義を捨て去るだけの勇気が足りない。
それを見つけ出せたときには、またここに戻ってこよう。
きっとそのときが、長い旅の終わりなのだろう。
JBの旅は続く。 |